UVプリンタには、ほかのプリンタにはない大きな特徴があります。それは、透明インクとホワイトインクが使えること。カラーインクのように存在を主張しないために見落されがちですが、じつは透明インクとホワイトインクはUVプリントの印刷の幅をぐっと広げてくれる縁の下の力持ちなんですよ。この二つのインクを使いこなせれば、UVプリンタで作る作品のレベルが一段階上がります!
今回はそんな透明インクとホワイトインクの使い方にまつわるアイデア7つをまとめました。
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表面をニスのようにコーティングして光沢を出す
出典:天野スクリーン
まずはなんといってもこれ。印刷面に薄く透明インクのコーティングを施すことで、下の印刷物をスレやキズから守ると同時に、美しい光沢を与えます。UVインクを印刷できる素材にならなんでも使えますから、ラミネート加工やニスのように使う素材を限定しないのが嬉しいですね!
凸凹で立体感を出す
続いて、透明インクを何層も重ね塗りして印刷メディアに凹凸加工を施す技をご紹介します。この厚み、何か別の素材を貼り合わせたみたいですよね。UVインクは普通に印刷すると厚み約0.3mmと薄いのですが、これを何層にも塗り重ねることが出来るのです。
上の作品の1つ1つのドットはクリアインクを12層重ねて作られたものです。これが印刷で出来るなんてすごいと思いませんか?プリンタした図柄の上にインクを厚く平らに盛ると、上からアクリル板を貼ったような質感を再現することも出来ます。
点字もこのプリンタで作れちゃいます。どこにでも印刷できますから、表示案内板などもUVプリンタでサクッと作ることが出来るのです!
出典:技光堂
透明なものに印刷する際の下地
出典:DMM.make
透明なものに印刷する際、そのまま印刷してしまうとインクが透けてぼやけた感じになってしまいます。また、色つきのものに印刷する際も、そのまま印刷するとインクの下から下地の色が透けて見え、思ったような色が出ません。
そこで活躍するのがホワイトインクです。透明なもの、色がついたものに先にホワイトインクを印刷し、下地を完全に目隠しします。その後印刷するとくっきりと色が表現でき、どんなメディアの上にも思い通りの作品を実現することが出来るのです。
ここでこっそり、透明なものに印刷する際のコツを皆さんにお教えしますね。透明なメディアにホワイトインクを印刷してその上にカラーインクを載せると、表はきれいに見えるのですが裏は白い下地が見え、少し安っぽくなってしまいます。これを防ぐために、まずカラーインクを印刷してからホワイトインクを印刷し、その上からさらに同じカラーインクを乗せます。そうすると裏から見ても表から見てもきれいに印刷できるのです。
ホワイトインクがはみ出て見えると見栄えが悪いので、ホワイトインクのみカラーインクのラインより1mm内側に寄せて印刷するときれいですよ。
疑似テクスチャ表現
出典:DMM.make
透明インクは薄く何層にも重ねて印刷することで、いろいろなテクスチャを擬似的に表現することが出来ます。上の写真はプリンターメーカーであるミマキが提供するテクスチャサンプルです。これ以外にも、より立体感をもたせた下のようなテクスチャもあります。
いろいろなテクスチャがあって見ているだけでも面白いですね!
木や革の質感を擬似的に表現したり、高級感を演出したり、テクスチャは使い方次第で色々な用途で活躍してくれます。
出典:大判プリンター比較.jp
金や銀を作る
出典:DMM.make
印刷で金や銀を作るのはかなり難しいと言われてきました。なぜなら、通常の印刷では印刷紙た綿がどうしてものっぺりとしてしまい、キラキラとしたメタリックな質感が出せないからです。しかし、透明インクのテクスチャを使えば光を乱反射させることが可能です。そのテクスチャの下に、金色や銀色に近いと言われている色を印刷するとかなり本格的な金色と銀色を再現することができます。
一般的に金色や銀色に近いと言われている色はたくさんバリエーションがありますが、
金 C43/M53/Y88/K0
銀 C26/M21/Y20/K0
などが代表的です。
黒いプラスチックの上に載せると、まるで金蒔絵のような高級感ある装飾品が完成します。赤でも朱塗りの感じになって格好いいですね!
デコレーションガラスを簡単に作る
こちらはガラスの衝突防止用フィルムです。目隠しや衝突防止のために使われるこのフィルム。こんな感じで使われていますね。
出典:Amazon.com
皆さんもご覧になったことがあるのではないでしょうか。でも無地だとちょっとさみしいですよね。そこで活躍するのが透明インクです。透明インクを保護フィルムの上に印刷すると・・・
あら不思議、印刷した場所だけ透明に戻りました。殺風景な衝突防止用フィルムもこれだけで周りの雰囲気とマッチしますよね。
透明インクを接着剤として使う
透明インクは接着剤としても力を発揮します。例えば同じ形に切り抜いた二枚のアクリル板の一方に好きな図柄をプリントし、その上から透明インクを印刷します。その透明インクが乾ききらない程度に紫外線を当て、透明インクが柔らかいうちに上からもう一枚のアクリル板をかぶせます。印刷面をサンドイッチするようにアクリル板で挟むのですね。その後、インクが硬化するように紫外線を当てます。こうすると、インクが接着剤となってアクリル板の間に図柄が印刷されたワッペンが完成します。
まとめ
いかがでしたか?透明インクとホワイトインクは使い方次第でまだまだ面白いことがたくさんできそうです。UVプリンタでしか使えない特殊なインクですから、UVプリンタを使う際はインクの性質をよく知ってどんどん活用していきたいですね!
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