インテリア印刷には、いろいろな印刷用インクの選択肢がありますよね。中でも一般的なのが溶剤インク・UVインク・ラテックスインクの3つです。
この3つのインクでどれを使うか迷ってしまうことはありませんか?実はインテリア印刷なら一番オススメなのはラテックス印刷です。特に飲食店・病院・お子様のいるご家庭など安心安全を最優先に考えるべき施設では、ラテックス印刷一択と言っていいでしょう。
今日はそんなラテックス印刷を選ぶべき理由をお伝えします。
インテリア印刷に使える3種類のインク
まずはインテリア印刷をする際に選択しとなる3つのインクをご紹介します。
溶剤インクジェットプリント
- 図像の美しさ
- ★★★★☆
- 耐久性
- ★★★★☆
- 安全性
- ★★☆☆☆
- 印刷可メディア数
- ★★☆☆☆
- 乾燥性
- ★★★☆☆
一つ目は安全性です。有機溶剤を使用しているため、印刷後も刺激臭や人体に有害な気体を発生させる成分が含まれています。最近ではインクの改良が進み、発がん性物質であるニッケル化合物を配合しないなど有害性を低減したインクが普及していますが、それでも有機溶剤であることに変わりはありません。そのため、屋内での使用はあまりおすすめできません。とくに病院や飲食店、お子様がいらっしゃるような施設では気をつけたほうが良いでしょう。
二つ目は乾燥時間の問題です。有機溶剤を乾燥させなければならないため、乾燥に半日~1日ほど時間がかかるのです。それに伴い、納期も長めになってしまいます。十分に乾かさないことでにじみが発生してしまうこともあります。
三つ目に、塩ビ系の生地にしか印刷できないことも欠点となります。更に、生地にインク受理層のコーティングが必要なので、生地の価格が上がってしまいます。壁紙やインテリアには、木材や布、合成樹脂、金属など多様な材質がありますので、塩ビ生地にしか印刷できないというのは大きなデメリットですね。
UVインクジェットプリント
- 図像の美しさ
- ★★★☆☆
- 耐久性
- ★★★★☆
- 安全性
- ★★★★☆
- 印刷可メディア数
- ★★★★★
- 乾燥性
- ★★★★★
最近になってUVインクジェットという技術が印刷にも応用されるようになりました。UVインクジェットとは、UV硬化型インクを使った印刷方法で、インクに紫外線を当てて重合させることにより硬化させ、印刷する生地の表面に定着させます。もともとはシルクスクリーン印刷の版作りなどに使われていた印刷法です。現在は布から金属まで幅広いメディアに印刷することが出来ます。
長所は、溶剤インクと同等の耐候性、溶剤インク以上の耐擦過性を持ちながら、有機溶剤を使用しないため、安全性が高いという点です。ただし、硬化前のインクは人体に有害で、硬化後も食品などに触れる面には印刷できません。硬化後は有害ではないのですが、UVプリンタ独特のにおいが発生します。
UVプリンタのにおいが苦手という方にとっては、室内のインテリア印刷にUV印刷を使用するのはよい選択とは言えませんね。また、UVインクをプリントした印刷面を誤って舐めたり口に入れたりしますと健康に悪影響があります。その可能性のあるお子様のおられるご家庭にはUVインクのご使用をあまりお勧めしません。
ラテックスインクジェットプリント
- 図像の美しさ
- ★★★★☆
- 耐久性
- ★★★★☆
- 安全性
- ★★★★★
- 印刷可メディア数
- ★★★★☆
- 乾燥性
- ★★★★★
長所はUVインクジェットと同じく、耐候性・耐擦過性があり、安全性が高い点です。また、印刷機材とインクが安価、生地のコーティングが必要ないという理由でコストが低い点も魅力です。更に速乾性で、納期短縮にもメリットがあります。特に臭気もありませんので、最も安全性が高く安心して使えるインクです。
欠点としてはインクを硬化させる際に高温状態にする必要性があるのですが、そのために耐熱性の低い生地に印刷が出来ない点です。しかし、改良が進み、最新世代の印刷機ではPET素材や薄手の素材にも印刷できるようになってきています。
ただ、これは印刷機の世代によりますので、印刷の際は確認することが必要です。
インテリア印刷ならラテックスが安心な3つの理由
ここまで3種類のインクをご紹介してきました。ラテックスプリンタがインテリア印刷におすすめの理由が何となくわかってきたのではないでしょうか。実際、お仕事で飲食店や病院、福祉施設などで使用するインテリア材の印刷をする際はラテックスプリンタで印刷することにしています。ラテックス印刷がおすすめの理由を下の3つにまとめてみました。
安全
ラテックスプリンタがインテリア印刷におすすめの理由第一位はラテックスプリンタが最も安全で人体にフレンドリーな点。溶剤インクのように有害な気体が発生しません。UVインクのように独特の臭気もありませんし、口に入れた時の危険度もずっと低くなります。万人にとって居心地の良い空間を作り出すのに、ラテックスインクは最適なインクなのです。
耐久性がある
ラテックスインクはUVインクと同じく対候性や耐擦過性の強いインクです。劣化や剥がれに強いのです。インクの劣化や剥がれは見た目も悪いですし、手についたインク片が口に入るなどという事故も防げます。
発色が美しい
これは厳密にいうと安心・安全とは離れてしまうのですが、ラテックスインクはUVインクに比べて発色が美しいインクです。UVプリンタは硬化時にインク表面がガタガタしたまま固まってしまいがちです。インク表面の滑らかさは、表面の光沢にはもちろん、光の反射の関係から発色の美しさにも大きく影響します。なめらかな表面の光沢と鮮やかな発色のラテックスインクはこの点でもおすすめです。
まとめ
いかがでしたか?ラテックスインクのが安全安心なインクだということがお分かりいただけたのではないでしょうか。病院や飲食店、お子さまのいらっしゃるご家庭など、利用する人の安心安全を最も重視したい!という方には特にラテックスインクをお勧めします。
安心な空間づくりに妥協したくないですよね。ぜひとも印刷罪にまでこだわって内装を作ってみてください!
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