DIY

ハンドメイド苦手すぎてミシン5台壊したアラサーがペンケースを自作してみた(準備編)

皆さんこんにちは、ターポです。先日UVプリンタについてわりと熱く語った記事を更新しました。

あれだけUVプリンタを他人様におすすめするんだからさぞUVプリンタ使ったファブ歴長いんだろうなって思いましたよね?残念!良いという話を聞きこそすれ、自分では一度も作ったことがありませんでした。

というのも、私はハンドメイドが大の苦手なんです。今を遡ること十●年前、小学生だった私は一人で一年間にミシンを3台壊してしまいました。家庭科の先生の心労、空費された修理代を考えると本当に申し訳ない限りです。中等教育過程では少々ましになりましたが、中高6年間通して計2台修理店送りにしています。12年間で5台。もちろん作る作品は惨憺たる有様で、家庭科の時間は居残り&持ち帰り制作の常連でした。母からは「今の時代、作るより買ったほうが安くいいものが手に入るから…」と微妙な慰めをいただいたものです。

大学進学後、そんな私は当然のごとく「作るより買ったほうが安くいいものが手に入る」精神を体現して生きてきました。しかし、今になって思うのです。本当にそうだろうか?と。

時代は変わりました。3Dプリンタ、レーザーカッター、UVプリンタなどのデジタルファブリケータが低価格化・小型化し、Fabスペースが普及したことで、個人が好きなものを安く簡単に作れるようになっています。IllustratorやPhotoshopもどんどん使いやすく高機能化しています。物を作れる人にとっては、こんなに面白い時代はないと思うのです。

安くて品質の良い既製品が生活を覆い尽くす今だからこそ、自分で無駄にお金と手間をかけて作った一点ものには殊更のかわいさのようなものがあるとは思いませんか?たとえ、ものすごく不格好でも、実用性皆無でも、他人に理解されない感性の発露でもいいんです。むしろそこが良いのです。整った役に立つものは買うに如くはないわけで、そういうことが許されるのが自作の楽しいところです(専門職の方は、また違うのでしょうけれども)。せっかく印刷というものづくり業界の片隅にいるのです。今からでも物を作れる人になりたい!

というわけで、作ってみることにしました。

先日の記事を書いているうちにUVプリンタを使ってみたくなってしまったので、今回はUVプリンタをテーマにしようと思います。UVプリンタすげえ…!ということを手軽に実感できるような何かを作りたいと思います。また、UVインクの弱点の1つに折り曲げに弱いという点があるのですが、どの程度まで弱いのかこの機会に実際に検証してみたくもあります。

UVプリンタの弱点について考察した記事はこちら。

そこで目をつけたのは革製のペンケースです。

  • 比較的簡単に作れる
  • 生地を折り曲げて成形するのでUVインクの弱さを検証できる
  • 革に印刷できるインクすげえ…!と思える
  • 毎日使うペンケースを自作できたら、毎日の仕事が少し楽しくなるかも

どうです?ぴったりだと思いませんか?今回はオリジナルの模様を革に印刷してペンケースを自作してみたいと思います!

使用機材を置いているFabスペースを探す&予約する

ペンケースを作ると決めたものの、そのためには必要な機材を揃えなければなりません。そこで利用するのがFabスペースです。Fabスペースとは、様々な工作機械が置いてあり、個人が有料でそれらの機械を一時利用できる場所です。自宅からのアクセス圏内である都内のFabスペースを探します。

ペンケースを作るのに必要なのはUVプリンタとミシンです。もちろん私はミシンなんて持っていませんので、UVプリンタとミシンの両方が置いてある施設でなくてはいけません。

検索して出てきたのはこちらの3軒です。適当に検索しただけなので他にもあると思います。もしご存じの方がいらっしゃったらこっそり教えていただけると助かります…。

FabCafe

FabCafe Tokyo

渋谷道玄坂にある3Dプリンタやレーザーカッターが使えるデジタルものづくりカフェ。WiFiと電源無料開放、シングルオリジンの美味しいコーヒーに新鮮な有機野菜のサラダ、パティシエの手作りスイーツを提供、イベントも毎週開催しています。

ファブラボ神田錦町

ファブラボ神田錦町

DMM.make

DMM.make AKIBA

DMM.make AKIBAは、ビジネスの拠点として利用できる「Base」とホンモノの機材でプロトタイピングを可能にする「Studio」で構成された、ハードウェア開発をトータルでサポートするモノづくり施設です

家から近いこと、利用登録が必要ないことなどから今回はFabCafeを利用することにしました。

予約しなくても機材が空いていれば使えるのですが、確実を期して予約します。

UVプリンタ45分、ミシン3時間を予約しました。使用料はUVプリンタ4000円、ミシン2000円。さすがUVプリンタ、45分しか使えないのに高い…!

印刷用のデータを作る

データはIllustratorを使って作りました。jpeg、png、psdファイルなどは印刷可能なのかは聞くのを忘れました…。すみません。調べて追記します。

さて、ペンケースに必要な生地は25cmx23cm。ダイソーで買った100円フェイクレザーをこの大きさにカットします。データも25cmx23cmで作っていきます。完成したデータがこちらです。

Illustratorで作成したペンケースのためのデータ。これをUVプリンタで印刷していく。

FabCafeでのUVプリンタの使用時間は45分とわかりました。これだけ時間があればあと一品くらい印刷できるのではないか?と考え、近所のホームセンターで買ってきた木材にも何か印刷してみることにしました。

ホームセンターで購入した木材。UVプリンタで表と裏に印刷する。

なんともランダムな形をしていますね。こういった規格化されていない形のメディアに印刷する場合、データはメディアの最大縦幅と最大横幅を辺の長さとして持つ長方形で作ります。印刷する際、データの外枠を位置決めの枠として使うからです。

こんな感じで木材のサイズをざっくりと測り…

木材のサイズを測る。Illustratorのデータのサイズとして活用する。

20cmx5cmでデータを作りました。両面にOPENとCLOSEDを書きたかったので表のデータと裏用のデータ二つ作ります。

Illustratorで作成した木材のためのデータ(表用)。これをUVプリンタで印刷していく。Illustratorで作成した木材のためのデータ(裏用)。これをUVプリンタで印刷していく。

ここで大きなポイントなのですが、文字データは必ずアウトライン化してください!Illustratorであれば、文字オブジェクトを選択してshift+ctrl+Oでアウトライン化出来ます。アウトライン化しておかないと、プリンタにつながっているパソコンに入っていないフォントを使用した際に印刷できなくなってしまいます。自分のパソコンをプリンタに繋げるなら、この心配はしなくて大丈夫です。

データチェックをしてもらう

初めて利用するお店であれば、一度データをチェックしてもらうのが安全かと思います。張り切って印刷しようとしたら実は使えないデータだったというのは悲しいですからね。ただし、FabCafeではデータチェックが有料だったので、予算的に許容できなければ省いても良いでしょう。あくまで安全策ということで。

FabCafeではメールでデータを送ればチェックしてもらえました。そして無事OKを確認。一安心です。

材料を買い集める

今回はペンケースを作りますので、そのための材料を収集します。

この作業、地味ですがとても大事です!真面目に確認しましょう!

もしかしたらハンドメイドをやってらっしゃる方にとっては、いやまともな大人にとっては当然のことなのかもしれませんが、私はハンドメイド素人かつまともな大人ではなかったので正直材料集めの大切さを舐めていました。「ペンケースの材料なんかどこでも売ってるし……最悪当日池袋のユザワヤに駆け込めばなんとかなるかな」と思っていたのです。これが大きな間違いだったことがFab前日に判明します。

材料を揃えた気でいたのが、確認が甘かったためファスナーを買い忘れていたのです!もうツッコミどころ満載です。慌てて調べたのですが、ぴったりの長さのファスナーはなかなか見つかりません。当日本当にユザワヤに駆け込むことになりました。しかし長さの調節には30分かかると言われ、時間的な余裕がなかったことから長さの調整は断念。

幅23cmのペンケースづくりに30cmのファスナーを使うことになってしまいました…。

ペンケースづくりに用意した材料は以下の通りです。

フェイクレザー 25cmx23cm
裏布      25cmx23cm
ファスナー   30cm(本当は24cm~26cmが望ましい)
バイアステープ 8mm/12mm(適当な幅が分からず二種類買った)

既にレザーに猫の模様を印刷したあとの写真になってしまうのですが、アイキャッチ画像にもなっていたこちらが用意した材料です。

準備編まとめ

準備編は以上です。ハンドメイドで何か作るというのは高校時代以来だったので、ここまでの準備がまず大きな難関でした。

ところで今回Illustratorを使っていて気づいたのですが、私がIllustratorというソフトを100%自分の趣味のために使ったのは初めてかもしれません。Illustratorを結構使ってきたと思っていたのですが、それは全部仕事のために使っていたんですね!

このことは私にとっても驚きでした。自分のものを好きに作って良いとなると、はじめは「何を作ろう…?」と戸惑うのですが、慣れてくると必要に迫られてものを作る時よりずっとテンションが高いことに気づきます。これがものづくりの楽しさ…!か、どうかはまだ分かりませんが、準備作業にはかなり手間がかかったのに、それはそれで結構楽しかったんですよ!

もしかしたら、ハンドメイドは苦手ではあっても嫌いではなかったのかもしれません。いやまだ準備しかしてませんけども。

一方で、この段階で既になんだかおぼつかない雰囲気が漂ってきていることも見逃せませんね!ファスナーは長すぎるし、バイアステープの幅の予測は全然ついていません。この危ない雰囲気は実践編で顕在化するのですが、長くなってしまいそうなのでそれは実践編に譲り、今回はここまでにしたいと思います。

読んでいただきありがとうございました。

失敗だらけの実践編に続きます!

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