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UVプリンタが静かなものづくり革命を起こしていた

UVプリンタという単語を皆さんは聞いたことがありますか?印刷業界の方や、ものづくりに興味のある方でなければなかなか聞いたことが無いかもしれませんね。UVインクによる印刷は古くからシルクスクリーン印刷の版づくりに利用されてきた印刷方法ですが、近年UVインクを用いた印刷機、UVプリンタが登場し、ものづくりに静かな革命を起こしています。

UVインクとは一体どんなインクなのか?UVプリンタは何がそんなに新しいのか?今日はそんなUVプリンタについて詳しくお伝えしたいと思います!

UVインクとは何か

UVプリンタの外見
出典:Fabcross

UVインクとは何か?一言で言うと紫外線を照射することによって硬化し、メディアの表面に定着するインクのことです。

これだけ聞いても何が何やら?という感じですよね。

通常、印刷はメディアの表面のインク受理層にインクを吹き付け、浸透させて印刷します。

一方UVインクは、メディアの表面にインクを直接吹き付けます。そして紫外線を当てることによってエネルギーを吸収させ、インクに含まれていた分子を光重合させることによって硬化・定着します。つまり、インク受理層が必要ありません。

紫外線を当ててインクを硬化させるという全く新しい手法での印刷を可能にするのがUVインクなのです。

UVプリンタの長所とは?

UVインクで印刷するUVプリンタには多くの長所がありますが、大きなものとしては以下の4つが挙げられます。

様々な材質に印刷できる

UVプリンタのメディア。プラスチック、木材、ガラス、革など何でも印刷できる
出典:大判プリンター比較.jp

UVプリンタのメリットは、何と言っても印刷できるメディアが幅広いことです。上に述べたようにインク受理層を必要としないので、メディアを選ばず印刷できるのですね。従来は印刷メディアによって布には昇華型インク、塩ビには溶剤インク…というようにインクの種類を変えなくてはなりませんでした。しかし、UVプリンタは一種類で紙、布、革、プラスチック、金属、ガラス、木材、樹脂など、多様なメディアに印刷することが出来ます。

UVインクが定着しにくい素材には、プライマーと呼ばれるインクの下地を塗布し、印刷することも出来ます。これによって更に幅広いメディアへの印刷が可能になります。

立体物に印刷できる

uvプリンタは立体物にも印刷できる
出典:CHUWA 3D PROJECT

もう一つのメリットは、立体物に印刷できることです。従来立体への印刷には汎用的な機械が作りにくく、凸版印刷機などを用途に応じて設計・制作してきました。印刷する図柄ごとに版も作らねばならなかったため、小ロット多品種での生産、市場の動きに合わせた迅速な商品投入には向いていません。

一方、UVプリンタは様々な素材でできた立体へフルカラー印刷が簡単に可能で、汎用性が非常に高いです。版が不要なのも大きなメリットですね。写真やイラストのデータを持っていれば、パソコンに読み込んで実行するだけで高解像度の印刷をすることができます。小ロット多品種での生産、迅速かつ柔軟な商品投入に非常に適合したインクと言えるでしょう。

立体的な表現が可能

UVプリンタは立体的な表現でイメージの幅が広がる
出典:大判プリンター比較.jp

UVプリントでは、透明インクやホワイトインクも使えます。メディアの透明度に合わせてこれらのインクを分厚く印刷するとぼつぼつ、ゴツゴツなど立体的な質感を再現できます。薄く印刷すれば表面をコーティングしたかのような光沢感も出せます。例えばスマホケースのデコレーション、点字の印刷などに使えますね。このような立体的な表現と組み合わせて鮮やかな色のフルカラー印刷ができると、印刷の表現の幅が広がりますね。

速乾性がある

UVインクは光重合するため速乾性がある
出典:ネルパラ ダイエー新松戸店のブログ

溶剤インクですと印刷をしてから乾かすのに半日~1日かかりますから、その後の加工も込みですと出荷までの時間がかかってしまします。更に、まだ乾いていないインキに触れることで印刷された図柄が崩れてしまうというリスクもあります。

UVインクには紫外線を当てるとすぐに固まるという性質がありますから、そういった心配は減ります。不良品の発生リスクを抑え、納期を短縮できるのもUVインキの長所の1つです。

UVプリンタで何ができるようになるのか


UVプリンタの素晴らしさ、少しでも伝わったのではないかと思います。しかし一方で、なんだかすごいようだということは分かったけど、冒頭の「ものづくりに静かな革命を起こしている」というほどでもないんじゃない?…そんな疑問も浮かんできますね。実際UVプリンターで何が出来るようになるのでしょう。実は、UVプリンタはメーカーのものづくりや、企業のノベルティ制作、そして個人のものづくりにまで大きなインパクトを与えうるプリンタなのです!

小ロット多品種、かつラインナップを身軽に変化させられる新時代のメーカーが出現!

UVプリンタで小ロット多品種、かつラインナップを身軽に変化させられる新時代のメーカーが出現!
出典:FAB教室アドバンス

UVプリンタは非常に手軽に広範囲のメディアに印刷できるため、一台あれば多様な商品を1個から生産することが出来ます。また、様々な形態を入力データの入れ替えだけで作れるため、試作・設計→設備投資→生産のサイクルに必要な時間・資金・労力を大きく減らすことが出来ます。それは商品化までの時間や納期を短縮し、1デザインで回収しなければならないコストを下げることに繋がりますよね。

以上のような、小ロット、多品種、迅速、柔軟という特徴は、今までのメーカーのあり方を大きく変えてくれる可能性を持っています。

例えばあるドラマがヒットすれば、版権を持っている会社がすぐにそのグッズを生産販売できるわけです。たとえそのドラマが一過性の流行であっても、設備投資を回収する必要はありませんから流行が終わればすぐに別のデザインや商品に乗り換えて生産自体を続けることが出来ます。

また、ホビー需要をターゲットとした小ロット生産か可能になることによって、別のメリットも生まれます。市場がニッチであるがゆえに価格競争に巻き込まれにくくなるので利益率を確保しやすいのです。

さらに、UVプリンタが普及するとどうやって印刷するか、ではなく何を印刷するか、つまりその会社のもつ版権やアイデアが他社への差別化ポイントとして大きく浮かび上がります。この分野に優れているのはメーカーに限りませんよね。今までノウハウや大きな設備投資が必要だったためにメーカーに参入できなかった、多くの版権やアイデアを持つ企業が他業種からメーカーとして参入しやすくなります。

流行の変化が激しく、消費者の性向が多様化している現代の社会において、小ロット、多品種、迅速、柔軟が売りのUVプリンタは新しい、より柔軟なメーカーの姿を見せてくれますね。

企業のノベルティの制作が手軽で安価に!

UVプリンタで企業のノベルティづくりも安価に!
出典:KYOEIDO Technical Site

企業のノベルティづくりの幅も広がります。何にでも印刷できますから、プリンタ一台の導入コストで多様なノベルティを手軽に自社生産できるようになります。ゴルフボールからボールペン、スマホケース、グラスに至るまで、どんなノベルティも外注する必要はありません。自社で手軽にに生産できれば外注時のコミュニケーションコストやイメージとは違ったものが納品されるリスクから解放されます!

個人のものづくりがパワーアップ!

UVプリンタによって個人のものづくりがパワーアップする
出典:Fabcross

UVプリンタは個人のものづくりにも大きなインパクトを持っています。

パーソナルファブリケーションという言葉をご存知でしょうか?コンピュータやネットワーク、デジタルファブリケータを駆使することで、さまざまなツールを自動化しつつ、個人がより容易に、高度な創作に取り組むことができるという発想から生まれた言葉です。

デジタルファブリケータ
小型化、高性能化し、ネットワークに接続可能になった工作機械のこと。関連特許失効などにより低価格化が進んでいる。以下のような機器が含まれる。
3D プリンタ…3Dデータを元に、立体を造形する機械
3Dスキャナ…現実に存在する立体を3Dデータとして取り込む機械
レーザーカッター…レーザービームであらゆる素材に彫刻・切断・マーキングする機械
UVプリンタ…本稿で解説

これまでものづくりには参入できなかったデザイナー、クリエイター、ソフトウェアエンジニア、あるいはそのどれにも当てはまらない普通の個人が、簡単に自分の作品を制作することができるようになると言われています。

UVプリンタはデジタルファブリケータの中でも、必要知識が少なく、使いやすいものです。例えば3Dプリンタならば、3Dスキャナか専用のソフトで3Dデータを作らなくてはなりません。更に、印刷には早くて数時間と非常に長い時間がかかります。仕事で忙しい人が、休日にサクッと3Dプリンタを使うというのはなかなかハードルが高いですよね。しかし、UVプリンタは2次元データを用意すればいいだけなので、子供の書いた落書きをスマホで撮ったデータなどでも取り込んで印刷が可能です。印刷の時間はA3サイズで6~7分。パーソナルファブリケーションを最も手軽に実践できる機械がUVプリンタなのです。

最近では、デジタルファブリケータが設置され誰でも利用できる「Makers スペース」「FabLab」と呼ばれる施設が世界的に広がり始めています。このようなスペースにはUVプリンタを設置しているところも多くあります。そこに印刷したいメディアとデータさえ持って行けば、あなたも明日から自分だけのオリジナルグッズを作ることができます!

このように、UVプリンタは個人のアイデアを形にするための頼もしい味方となってくれるのです。

まとめ

いかがでしたか?UVプリンタとは何か、どこがすごいのか、お分かりいただけたでしょうか。皆さんもご興味があればぜひお近くのFabLabでUVプリンタに触れてみてください。自分でものを作るのって、結構楽しいですよ!

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